成功前夜 21の起業ストーリー
東京首都圏FMラジオ局 81.3FM J-WAVEで毎週土曜生放送中のMakeIT21に登場した時の起業家、経営者、ビジネスプロフェッショナルの「成功への軌跡」。全ての成功者が通ってきた「夜明け前の漆黒の闇」、だからこその夜明けの美しさ、成功の喜び。決して順風万藩とはいえない、現実の厳しさを経験してこそ勝ち得た「高み」を掴んだ21人の起業家達のストーリーを書き下ろした。
まえがき
2000年10月7日、21時55分、東京都港区、西麻布。
スタジオのデジタル時計は確実に番組第一回目の放送開始22時に向かってカウントダウンを始めていた。外には西麻布の夜景、ガラス越しのミキサールームでは「大丈夫だから楽にいこうよ」と松尾ディレクター(現J-WAVEプロデューサー)が、マイクを前にこわばる私を無言でなだめていた。しかし、ここはJ-WAVE。しかも生放送である。仕事柄、経営者を対象にしたセミナーや講演はやっていたが、これから自分の声が首都圏全域に送信されると思うと、夜景を楽しむ余裕などある訳がない。その日の事は今でも鮮明に覚えている。
あれから4年と5ヶ月、現在、J-WAVEは同じ港区のランドマーク、六本木ヒルズの33階にある。夜景も18階から33階と高くなった分、絶景である。
番組が始まった当時、経営コンサルティング会社を立ち上げて6年目を迎えていた私にとっても大きな転機を迎えていた。97年後半から米国東西海岸、フランス、フィンランド、シンガポールなどを中心にベンチャーキャピタル事業に従事しはじめていた私にとって、やはり日本での起業支援は直近の大きなテーマでもあった。
時は2000年、有効な対策の打ち出せない森内閣、1989年12月29日に3万8915円を記録した日経平均株価は、以降10年間下降の一途を辿り(2003年4月28日にはとうとうバブル後最安値7,607円をつけてしまう)、ニューヨークタイムズは「日本が再び輝きを取り戻すことはない」と断じる記事を書いて話題を呼んでいた。日本列島が閉塞感に苛まれ、「不況」が蔓延していた。しかし、私はそれがある種の群集景気である気がしてならなかった。群集心理と同じく誰かが「不況だ」と言って一方向に走り出したら、もう止めようがない。そんな「心」が景気や経済に与える重要性を感じていた。
なんとか日本を盛り上げたい。そんな思いと、J-WAVEの絶大なる協力とアドバイスによって、この番組が誕生した。
それが、今年で放送から5年目を迎える東京首都圏FM局81.3FM J-WAVEで毎週土曜夜10時から放送中のDaiwa Shoken Make IT 21である。コンセプトは「聴くビジネス・マガジン」。ビジネスパーソンのみならず主婦や学生など多くの方に御愛聴頂いている。番組は、起業家、経営者、事業家などをお招きしてビジネスや生きるヒントを伺うインタビュー・コーナー「ムーバーズ&シェイカーズ」、ビジネスで使える英語表現を紹介する「ビズ・トーク」、リスナーからのビジネスアイディア、夢の実現に向けたアドバイス、サポートをする「アドベンチャーズ・オンライン」という3つのコーナーで構成されている。
当初からラジオ番組に留まらない立体的展開を目していたこの番組は、スポンサーである大和証券グループのご協力もありスカイパーフェクTV Ch.766、「大和 証券情報TV」でも放送中である。またリスナーを招いてのワークショップ「ブートキャンプ」、「開業支援プロジェクト」などオンライン、オフラインでの多角的な展開を図っている。この番組を通じて産声をあげた事業やプロジェクトも少なくない。また番組ホームページ上には、ビジネスアイディアや情報交換の場としてのBBSが用意されリスナー間で日々活発な議論が展開されている。インターネット上に無数に存在する他のBBSに比べても格段にクオリティーの高い建設的議論と「夢」孵化の場になっている。
そのメイン・コーナー「ムーバーズ&シェイカーズ」にご出演頂いた200名近くのゲストとのインタビューは全て書き起こし、アーカイブ化され番組ホームページ上で公開されている。番組が誇る「資産」だと自負している。そして今回、ソフトバンク・パブリッシュングほか各所からの絶大な協力と御支援のもと、番組タイトルMake IT 21にちなんで21人の成功実録を出版という形で、皆さんにご紹介できる事となった。番組の集大成であるといってもよい。タイトルは、「成功前夜」と名づけた。
世には「成功」や「サクセス」をテーマにする書籍の数は枚挙に暇が無い。ある関連書籍の著者のお話を伺えば「成功するためのノウハウ」を実践するのは読者の1割にも満たない。9割はノウハウは理解したが行動に結びつける発破がかからない、というのだ。本書は、成功するためのノウハウ本ではない。発破をかける本である。本書のタイトル「成功前夜」が表しているとおり、「成功とは、才能や運に恵まれた、ごく一部の人達に優先して与えられる専売特許ではない。成功は全ての人に平等に体験可能であり、全ての成功に前夜、つまり成功という日が昇る夜明け前の愚直とも言えるの努力や悩み、苦しみがあったのだ」、だからあなたにもできるはずだ、というメッセージを託している。今から読者の皆さんに読んで頂くのは、私が番組の中でインタビューをしてきた成功者達の実録である。
番組、そしてこの度の出版は、実に多くの方のひとかたならぬ協力とサポートがあってこそ実現している。改めて感謝申し上げたい。
成功者達は、その発想や行動の原点とも言える何らかの「きっかけ」をもっている。この本が、あなたを成功へと誘う、きっかけになれればと思う。そして、あなたにとっての成功とは何なのか、その崇高にして重要な命題について思考する一助となることを願ってやまない。









